沖縄県立向陽高等学校

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向陽通信 第19号 (2016年11月 8日 18:39)

ワールド ウチナーンチュ事業 県系3世と4世が講演

 ウチナーンチュ大会で沖縄に来ている県人会の方を招いた「出前授業」が10月25日と28日、視聴覚室で開かれた。

 25日は、1年生理数科(2クラス)を対象に北米沖縄県人会副会長の大城ビッキー悦子さんが授業を行った。ビッキーさんは、現在カリフォルニアに在住しているが、祖父が玉城出身の3世である。授業は、アメリカ県人会の活動の様子や沖縄の印象などを話した。生徒から、好きな食べ物や音楽、沖縄の文化についての質問を英語で受け、楽しそうに応えていた。

 日は、県費留学生として1年間沖縄で学んだ経験のあるペルー県系4世の小波津エリザベス・カリナさんとぺルーでホームステイの経験のある竹内あいさんが授業を行った

 小波津さんは「戦争中ペルーはアメリカと同盟関係にあったため、敵国の日本から来た1世の皆さんはとても苦労した。当時は日本語を話さないようにしたので60歳以上の方は日本語を話せる方が少ない」と語った。「現在、自分のルーツは沖縄だと感じる若い人が増えている。皆さんもウチナーンチュだという誇りを持って沖縄の文化を伝えて欲しい」と述べた。

 また、8月に県の海邦養秀ネットワーク事業で、2週間をペルで過ごした竹内さんは「県系の方はとても優しく、沖縄の心を大切にしていた。一方では三線も弾けず、沖縄の文化を余り知らない自分を知った」と振り返った。

県費留学生帰国報告⑩

イタリア留学で学んだこと  3年1組 杉本 糸音

 留学をして学んだことは大きく、2つあります。

 まず一つ目は伝えることの大切さです。私は留学に行く前、私のことを誰も知らないような環境に身を置き、自分をさらに自立させよう、と思って飛び立ちました。しかし実際いってみると私はいつも誰かと一緒でした。学校に行く時も弟や友達と一緒だったし、週末も家族に他の村へ連れて行ってもらっており、私が一人で外へ出ると「一人で出たの?大丈夫だった?」と心配されていました。外国で、私はもちろん外国人という立場になり、一人で出歩くことは難しく助けが必要でした。周りには私のことを気にかけてくれる人が沢山居て、私がなにも言わないで行動すると逆にもっと心配する人が増えました。あたりまえですが特に自分が何かをしたい時やする時は、まず人に言って協力してもらうものなのだなぁと思いました。学校で日本語の授業をすることになった時も、前もって友達に話すと「もちろん私たちは見に行くし、何かあったら助けるから!」と言ってくれました。この体験から、自立というのは誰か他の人がいてこそ達成できるものだと気づきました。またイタリアは、議論の国といっても過言ではないほど、小さい子でも自分の意見をもっていて、考えていること、思ったことは全て論理的に意見してきます。特に友達といるときには毎回驚かされ「自分もそうなりたいな」と思いました。

 学は楽しいことばかりではありませんでした。私は、家族、村の友達、習い事や放課後のコース、村でやっていた合唱団など、ほとんど上手くいってたんですが、ただクラス内ではあまりうまくいきませんでした。皆で12名という少人数のクラスだったのですが、私の話をあまり聞いてくれなかったり、話が続くように会話してくれなかったりしました。ただテストなどで忙しく、学校の勉強からのストレスが多く、自分たちのことで精一杯だった感じでした。修学旅行の時に思い切って「自分のこと皆あんまり好いてないの?」と聞いてみました。本当に悩んでいたし、イタリアに行く前からどちらかというと語学の習得より人と付き合うことへの関心のほうが高かったので仲良くなりたくて仕方がありませんでした。

 勇気を出して聞いてみると、アドバイスしてくれ「あなたはこんなして勇気を出して話してくれて本当によかった、いいことをしたよ」「けどもっと早くから言ってくれればよかったのに」と言ってくれました。その後、クラスメイトの態度が一変したということはなかったですが、私が行動せずに悩みっぱなしな状態で留学生活を終えるよりは全然いいと思いました。その結果、私もその後は吹っ切れて、とりあえず自分のことをしっかりやる、あまり無駄な事は気にしない、面白いときは面白いから笑う、と気楽に過ごすようにしました。学年末には海やバーに誘われ、嬉しい気持ちでお別れをすることができました。

 この経験から、留学で学んだことの2つ目に入るのは、誠実でいることです。悩んでいるときに勇気をもって行動してみて、誠実に向き合うことの大切さを実感しました。 留学を通して、自分が少し変わったことは、世界中のいろんな人と出会い、視野が広がったことです。皆さんもチャンスを探し、ぜひ挑戦してみて下さい。

※今回で留学報告を終了します。